厳しく楽しい大学生活

　シカゴ大学のモットーは、ラテン語で"crescat scientia; vita excolatur"、「知識を創出し人類の生活を啓発せよ」です。自由でオープンな発想を奨励する研究型大学として、このモットーはぴったりな言葉といえるでしょう。

　しかしシカゴ大学学生の間では、そのカリキュラムの厳しさになぞらえて、「楽しさが死に変わる場所」「ダンテが書き忘れていた地獄」という冗談めいたスローガン（非公式）があります。

　この非公式スローガンに怖気づく必要はありません。確かに入学後の勉強が大変であるというのは事実かもしれませんが、それと同時にシカゴ大学の生活は楽しみで満ち溢れています。

　大学のMandel Hallでは、毎週金曜日にクラシック音楽のコンサートが開催されています。学内の天文学クラブRyerson Astronomical Societyでは、その建物の屋根に上り、すばらしい眺めを楽しむこともできます。

　11月から3月まではロースクール（法律大学院）前にあるスケートリンクがオープンし、わずか2～3ドル程度でスケートを楽しむことができます。また、Recognized Student Organizations (RSOs)というサークルが300以上もあるので、自分にピッタリなものが見つかるはずです。即興劇、学生新聞、ラジオ局からギリシャに関するものまで幅広いジャンルのサークルがあります。

　シカゴ大学のもう一つのお楽しみは、毎年開かれるScavenger Hunt、略して"Scav Hunt"というお祭りです。1987年以来、Scav Huntは毎年5月に開催され、世界でも有名なお祭りです。

　このお祭りでは学生たちがチームを組み、4日間にわたって様々な競技を行います。学生たちにとってこのお祭りは、競技を楽しみ、多くの人たちとふれあうことができる一大イベントなのです。このように、シカゴ大学は「厳しい大学」と「楽しい大学」という両方の側面をもっているといえます。

　学生寮にもユニークな特長があります。1年生は全てキャンパス内に住むようになっています。この学生寮の外観・内観はとても人気で、ハリーポッターに出てくるような建物になっています。寮内にはレクリェーションやラウンジのスペースがあり、寮生たちが一緒に食事ができる食堂もあります。

　しかしハリーポッターとは違い、ルームメイトを選ぶことはできません。それぞれの寮には、多様なバックグラウンド、国籍、趣味を持った学生が入るように部屋割りが工夫されているからです。